- 断熱性能に関わるお金の計算っておもしろい! - メゾンデザイン工房
2026.09.27
断熱性能に関わるお金の計算っておもしろい!
設計課の廷々です。
一般的に設計士といえば、間取りを考えたりする仕事がイメージしやすいと思いますが、
申請をしたり、建物性能の計算をしたり、その範疇は広く多岐にわたります。
その中で建物性能の計算、今回は断熱性能の計算についてお話したいと思います。
日々いろいろな建物の断熱性能の計算をしていて思うのが、福井県は温熱環境の地域区分は
5地域 or 6地域に区分され、そんなに寒さが厳しくない地域(1地域が一番寒い)となっています。
一方で断熱等級の区分では、等級7が現状では最高等級となります。
最近は耐震等級にしても断熱等級にしても最高ランクを謳い文句にする宣伝が目につくので、
最高等級である事が正義であるという印象を受け、最高等級を住宅造りの基準にされている
人は多いと思います。
確かに、断熱等級は高いほうが同じ生活をしていても、省エネで光熱費が削減できます。
しかし、日々いろいろな計算をしていると、特に最近は断熱等級7というフレーズが
一人歩きしているなぁと思ってしまいます。
断熱性能はUa値という数値で表わされ、Ua値≦0.26というのが等級7の定義です。
この数値は家から逃げる熱量を、外皮面積(=屋根・外壁・床)で割ったものです。
温熱環境の区分が一番寒い「1地域・2地域」なら、外と室内の温度差が極端に大きくなるので
最高等級7が必須になってくると思います。
福井県は温熱環境が中間くらいの「5地域・6地域」です。福井で断熱等級7が必要なら、
国は「1地域・2地域」の為に断熱等級8とか等級9を早急に設定するべきだと思ってしまいます。
こんな事を書くと熱橋がとか、意識が低いとかご意見はあるかと思います。
等級6まではあまり建築費をあまり上げずに達成する事ができますが、等級7は付加断熱が
必要となり、そのコストを試算してみると35坪くらいの2階建ての建物で建築費用がおおよそ
200万円程度アップする結果となります。
逆にその効果(電気代がいくら安くなるか?)についてシュミレーションしてみると、
1000~2000円/月 程度安くなります。
建築費用のアップ分を、電気代削減で補おうと思うと100~200年かかる事となります。
200万円の住宅ローンの借入が増えると、1か月の返済はおおよそ6000円増えます。(35年の場合)
200万円の住宅ローンの借入が増えると、35年の金利を平均すると880円/月となります。(35年で37万円÷420カ月)
1か月 1000~2000円の電気代を削減する為に、6000円/月返済が増えて、880円/月金利を払う
という事になります。
※880円は単純計算で、住宅ローンの返済は元利均等返済なので実質とは異なります。
メゾンでも他社に合わせて断熱等級7を標準にしようかという話になります。
工事金額を同じに抑えるとして、断熱性能にかかるコスト割合を増やして、
他の仕様を安くする商品設定する事は、割と簡単です。
でも、断熱等級7を謳う代わりに何かをガマンしてもらうという商品設定をしたとして、
それが本当にお客様の為になっているかと考えると、環境要因とかコストのバランスって
大事だなって思いますし、断熱等級7をUa値の計算だけで終わらせないで、断熱等級7を起点として
色んな影響をちゃんと計算してみると面白いなと思いました。
まだこの先の話がありますが、長くなるのでこの辺で。
もしこのブログを読んで続きが気になる人がいれば廷々までお問合せ頂ければと思います。

設計課 廷々
投稿者:Takashi Teitei

